Depertment of Regional Development

授業紹介

授業紹介

高大連携を通して、SDGsの知識とマネジメントスキルを獲得する

眞鍋和博 教授 担当「地域創生実践Ⅰ・Ⅲ」

教員プロフィールはこちら

取材日:2022年7月7日

取材担当:見舘 好隆

どんな授業か?

福岡県立小倉西高校の「総合的な探究の時間(西高サスティーンプログラム)」を17コマのうち10コマを、眞鍋ゼミの学生(2・3年生)が企画運営をする演習活動。対象は2年生約200名で、7クラス。運営方法は、眞鍋ゼミの学生2・3年生各1~2名ずつが教壇に立ち、司会及びファシリテーションを行いつつ、熟達した3年生2名がコアメンバーとして、各クラスを俯瞰してマネジメントを行う、まさに大学生が主体となって、依頼を受けた授業の企画・運営する実践的な授業です。なお、授業の目的は、SDGsの理解と、グループワークを通した自主性や協調性、探求心の獲得。授業の成果目標は、事後アンケート(5段階)のうち、肯定的な選択肢を選んだ率が90%、「取り組みやすい」を選んだ率が80%のように、具体的な数値目標を設定しています。

授業の特徴は?

今回参観した回は、第4回の一コマ目。第5回の最終発表のため、第1~3回までの授業を振り返り、これまでにインプットしたSDGsに関する知識を、クイズやワールドカフェを用いてアウトプットし、KJ法を用いて整理し、学んだ知識をインプットし直すワークを行っていました。休憩時間後の二コマ目で一コマ目でまとめた成果を発表したそうです。

取材して気づいた特徴は2つ。

一つ目は、眞鍋先生が授業の本番に全く関わっていないこと。廊下で参観はしているものの、介入は一切していませんでした。この点について眞鍋先生にお聞きしたところ、「導入時の指導計画立案について学生と私との間で打ち合わせは行っていますが、授業開始以降の授業運営についてはほぼ学生に任せていて、学生が小倉西高の担当教員とすり合わせをしながら、授業を実践しています」とのことでした。教員がしっかり枠組みを決めて行う課題解決型授業が多い中、高校側との入念な打ち合わせを行って、大学生が果敢にチャレンジする学習環境を作り上げていることがわかりました。
二つ目は、クラスごとに授業の工夫が全く違ったこと。7クラスを順番に参観しましたが、クラスごとに司会のトークや黒板などのツールの使い方、講話の長さなどバラバラでした。つまり、各クラス独自の工夫をしていたことになります。また、一コマ目と二コマ目の間の休憩時間には高校生と和気あいあいと交流しており、そのクラスを担当している特に3年生は「自分が責任を持って教えるクラス」という自覚を持って、真剣に授業運営をしていることがよくわかりました。

この授業でどんな知識やスキルが身に付くのか?

眞鍋先生のご専門は教育社会学(キャリア形成、ESD/SDGs)。授業設計における各知識はもちろん、授業のテーマがSDGsの理解である以上、SDGsの知識は確実に身に付くでしょう。

また、授業を設計するだけ無く、その内容を高校の先生に了解をもらい、当日参加する大学生と役割分担しながら、終了後は良かったところ、悪かったことを振り返り、次回の授業に活かすといったマネジメントスキルが身に付くことは間違いないでしょう。

さらに、教員の指示通りするのではなく、高校の授業という緊張感があふれる舞台に、自らが工夫して企画した授業を実践することを通して、特にチャレンジ精神が磨かれるのではないかと思いました。

取材者の感想(高校生の皆さんへ)

みなさんも「総合的な探究の時間」は経験されたと思います。そこでの活動にやりがいを感じた方は、地域創生学群に入学して、眞鍋先生のゼミに参加して実践してみてはいかがでしょうか(その他の先生のゼミでも高大連携は実施しています)。また、眞鍋先生はSDGsについて2022年秋よりイギリスの大学院に留学し、研究中です。SDGsについて深く勉強したいという方にもピッタリだと思います。