Depertment of Regional Development

授業紹介

授業紹介

北九州市のまちづくりの実践者から、まちづくりの仕組みや実践を学ぶ

南 博 教授 担当「地域創生論4(まちづくり実践論)」

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取材日:2022年7月14日(木)6限

取材担当:見舘好隆・廣川祐司

どんな授業か?

本授業における「まちづくり」とは、都市・地域において、多様な主体が関わるハード・ソフト両面の幅広い政策や行動こと。具体的には、地域住民のみならず、コミュニティや各種団体、企業、行政・議会など、多様な主体がそれぞれ役割を担ってまちづくりに参画する地域経営の「仕組みづくり」と、その仕組みに基づいた「実践」のことを指します。本授業では、北九州市を主な題材としながら、「スポーツ(主に“観るスポーツ”)や文化財・文化芸術を活かしたまちづくり」に特に着目して関連政策動向や事例等を通じて基礎的事項を学ぶ1年生向け専門科目です。なお、まちづくりに関わる社会人が授業に登壇する回もあります(2022年度は福岡北九州フェニックスの球団副代表・藤井直樹氏など)。

授業の特徴は?

今回参観した回は、第13回「文化財をいかしたまちづくり①【政策動向(総論)】」でした。最初に、前回の課題の振り返りがありました。具体的には事前に提示されていた「文化財をいかしたまちづくり関連の記事」について、ランダムに4名の学生があてられて、発表をしていました。そして講義では、南先生自身が北九州市のスポーツやイベントに関するニュースで専門家として登場している映像を用いる、最近のニュース記事(例:TGC KITAKYUSHU 2022 by TOKYO GIRLS COLLECTIONなど)を紹介するなど、教科書だけでは味わえない、臨場感があふれる工夫が満載で、6限(18時~)で疲れているはずの学生も集中力を持って話を聴いていました。

取材して気づいた特徴は2つ。一つ目は、ご自身がまちづくりのプレイヤーであることです。今回は文化財をいかしたまちづくりの政策動向で、北九州市の指定文化財などを解説しつつ、従来は保護に焦点が当たっていたが、現在は地域活性化やシビックプライドの涵養に繋げる動向であることを、実際ご自身が現在参加している「北九州市観光振興プラン検討会」の会議資料を紐解きながらの講義でした。これ以上の臨場感、説得力がある「まちづくり」の授業はないでしょう。実際、授業終了後に学生数名にインタビューしましたが、全員が「南先生だから説得力がある」と語ってくれました。

二つ目は、これからの地域創生学群における活動に直結している点です。今回は北九州市の最新の観光振興プランを紐解きつつ、「観光客」だけでなく観光以外の目的で来た人も含めて、ファン化・リピーター化していくことの重要性について解説されました。これは、少子高齢化における日本のどの地方にも当てはまることであり、自らの地元を盛り上げる知識を学びたいと思って入学した学生にとっては、本当に知りたい知識なのでしょう。この点についてもインタビューした学生の多くが触れていました。なお、南先生は自治体や各種団体から、イベントにおける経済波及効果についての調査依頼が多く、その調査員募集のインフォメーションがありました。まさにまちづくりを実践する機会も提供される授業ですね。

この授業でどんな知識やスキルが身に付くのか?

南先生のご専門は地域社会、地域経済の活性化に向けた都市政策。その南先生自身が具体的に携わっている北九州市のまちづくりに関わる各種事例を用いた解説、さらにまちづくりの専門家の登壇など、豊富でかつリアルな具体例を交えた授業だからこそ、まちづくりの基本知識を得るにはこれ以上は無い授業と言えるでしょう。

取材者の感想(高校生の皆さんへ)

本学の地域創生学群に興味を持ったみなさんの多くは、自分が生まれ育ったまちをより活性化させたいという思いをお持ちではないでしょうか。また、南先生はギラヴァンツ北九州をはじめとしたプロスポーツや、わっしょい百万夏まつりなど祭り、日本遺産をいかしたまちづくりなどにもお詳しいので、スポーツやお祭り、文化財をいかして、我がまちを盛り上げたい方は、南先生の授業で学びましょう。