高大連携

  • 『Super My Color Projectについて』

    8月から10月にかけて、眞鍋ゼミと広報実習で協力し、北九州市内のある県立高校の2年生を対象に「スーパーマイカラープロジェクト」(以下SMP)を実施しました。これは、以前から行っていた「やる気ぐんぐんプロジェクト」改めた取組みで、 4日間にかけて行いました。

    この企画は、自分になかなか自信が持てなかったり、周りに過度に合わせてしまったり、新しい友人関係を築くことを怖がっている生徒に対し、様々な個性や価値観に出会ってもらうことで「自分は自分でいいんだ」という気持ちを持ってもらい、自己肯定感得るきっかけにしてもらいたいという想いからスタートしました。

    そのため、1~3日目は普段話すことの少ない別のクラスの生徒5~6人で班を組んで取り組んでもらい、最終4日目は今までの振り返りを個人で行うというプログラム内容にしました。

     

    『プログラムの内容と感想』

    1日目は「様々な個性に出会う」ことを目的に体育館でオリエンテーション形式のゲームを行いました。ゲームは大きく2つ行い、1つは大学生が課す課題をクリアしていくミッションゲームと、A4サイズの紙と筆記用具だけを使って『城』を創作するペーパーキャッスルゲームを行いました。この日は、私たちが今まであまり行ったことのない体育館という大きな場所でのプログラムだったため、時間通り場を動かすことがとても困難でしたが、その分、このような状況をどのように動かせばよいのか新たに得た学びも大きかったです。

    2日目と3日目は「相手の意見を尊重する」という目的に沿って、各教室でグループワークを行いました。2日目は宇宙をテーマにしたコンセンサスゲームを行い、3日目は宝探しをテーマにして各々の情報を集めて地図を作っていくゲームを行いました。ポイントは、それぞれの個性をかけあわせグループでの話し合いが上手くいったかどうかでしたが、どうすれば限られた時間の中で生徒が自分の個性を発揮することができるかを深く考え、進行やファシリテーションを行いました。

    4日目は「ありのままの自分を受け入れ自信をもつ」ことを目的に、各教室で個人振り返りを行いました。班での話の中ではなかなか言えなかった生徒も、文字でアウトプットすると「普段話したことない子と話せてよかった」という言葉を書いてくれ、4日間を通じて生徒の友人関係に何かしらの変化を与えることができたのではないかと思いました。

    今回のプログラムは初めての試みも多く、その分反省すべき点もありましたが、それらを糧にこれからもより良いプログラムを生徒に届けていこうと思いました。

     

         

  • Super My color Project(SMP)

    【SMPとは?】

    近年、アクティブラーニングという生徒主体の学びの方法が必要とされていることをご存知でしょうか?これまでの机と黒板に向かって行う授業よりも、思考力・判断力・表現力を身につけたり、主体的に学習に取り組む姿勢を育む授業のあり方が求められてきています。

    2014年から北九州市内のある県立高校で行わせていただいていたやる気ぐんぐんプロジェクトは3年間だったこともあり、2016年に終了しました。しかし、同高校から来年もぜひやりましょう!と言っていただき、今年も行うことになりました。そして2017年からは名前もプログラムも大きく変えて、新たに「Super My color Project」というプロジェクトを実施することになりました。

    このプログラムでは、高校生にとっては主体的に学ぶ機会ができ、大学生はファシリテーションの経験を積むことができます。また、比較的歳の近い大学生だからこそできるプログラムでもあります。高校の先生と相談しながら高校生の状態も考慮して企画を立てるので、大きなギャップが生まれないようにしています。そのようにしてこの「SMP」が行われています。

    【プロジェクトの内容】

    今回の企画は「多様な個性や価値観を知ることでありのままの自分を見つめなおし、受け入れるきっかけを作る」ことを全体目的として挙げました。また、4日間それぞれ目的を設けて、その目的に沿った内容を考えました。

    1日目は「様々な個性と出会う」ことを目的にして、クラスをバラバラにしたグループを組み、オリエンテーションを踏まえたグループ対抗のゲームを行いました。あえてあまり話した事がない人と同じ班になるように組み、その班で大学生が出すミッションにクリアしていくというものです。その日は体育館の中と外に分けて行い、外ではスタンプラリーの形式で、様々なところに立っている大学生にミッションを出してもらうようにしました。このような形をとることで、「次はあの大学生のところに行こう」などと自然に会話が生まれるようにしました。

    体育館の中では高校生の想像力を膨らませるワークをし、「お城を作ってください」とだけ伝え、はさみ1つと白紙の紙を10枚配りました。各班のアイデアを尊重するため、あえてヒントはあまり伝えませんでした。そのようにして、初日は2日目以降の雰囲気作りと班のコミュニケーション向上を図る企画を行いました。

    2日目と3日目は「相手の意見を尊重する」ことを目的に、1日目に組んだ班で教室にてコンセンサスワークを行いました。2日目は、「もしも宇宙で遭難したら…」というテーマで、宇宙で遭難したときに必要なものを各自順位付けし、その後班のメンバーとそれぞれの意見を交わしてもらいました。他者の意見や考えを聞いたり、自分の意見を共有することで、「たくさんの考えがあるんだな」ということに気づいてもらえるようにしました。

    3日目も同じ目的で、班の一人ひとりに情報カードを数枚ずつ配り、誰にも見せてはいけないという条件のもと、白紙の用紙に地図を完成させて、宝の在り処を探してもらうというゲームです。すべての情報が行き渡らないと地図は完成しないし、宝の在り処もわかりません。人と話すことが苦手な生徒、人の意見を聞き入れることが苦手な生徒、紙にまとめることが得意な生徒、いろんな個性が集まっているからこそ新たな自分を発見することもできるし、人それぞれの個性を受け入れるきっかけになったのではないかと思います。

    4日目は「ありのままの自分を受け入れ自信を持つ」ことを目的にこれまでの3日間での気づきや感想をアウトプットしてもらいました。改めて自分という存在を客観的に見てもらうために、あえて3日間一緒に過ごした班ではなく、元のクラスで行いました。そこで共有することによって、クラスのみんなが3日間どのような気持ちで、どのようなグループ活動をしてきたか知るきっかけにもなるし、今まで知らなかった友達の新たな一面にも気づくことができると思ったからです。

    この企画を考える際に、いままでの「やる気ぐんぐんプロジェクト」とは少し違うことがしたいとずっと思っていました。教室の外で、できるだけ黒板を使わずに、非日常感を出しながら…など、やりたいことやしたいことがたくさん思い浮かびました。でも、ただ私たちがやりたいことだけをできる訳ではなく、この企画で高校生のみんなにどんな影響を与えられるか、コストはどれだけかかるか、どんなリスクがあるか、準備にどれくらい時間がかかるのか、などをすべて考えなければなりません。企画を立案してもそれが高校生にマッチしなかったらいけないため、事前に高校生の授業の様子を見学し、企画の進捗を高校の先生方に確認していただいたりと、本当に先生方の協力が重要でした。

    この4日間のプログラムを通して良かった点、改善しなければならない点がたくさん出てきました。これらの反省を生かして、これからも高校生にとっても大学生にとっても良い効果をもたらすことができるような高大連携の形を創っていけるように頑張りたいと思います。

                       

  • 地域創生学群広報実習

    ―やる気ぐんぐんプロジェクトを中心とした高大連携活動―

     

    広報実習 本間 美帆(代表)、指導教員 佐藤 貴之

     

    1.地域が抱えている課題、活動の目的

    地域創生学群広報実習が着目した地域の課題は、「地域をよりよくするために動く若者が少ない」ことである。本稿では若者の中でも高校生に焦点を当てた高大連携活動「やる気ぐんぐんプロジェクト」について述べる。私たちが北九州市内のA高校2年生214名を対象としたアンケートの中で「今の自分に点数をつけるとしたら何点か?」という質問をした。その結果、214人中約7割もの生徒が50点以下の点数を書いていた。その理由として、「頑張れていないから」、「何もできていないから」など、自分に自信が持てず消極的になってしまう高校生が多い傾向が明らかになった。「自分に自信を持ち積極的に行動してもらうこと」が地域課題の解決に繋がると考え、これを本プロジェクトの目的とした。

     

    2.活動概要

    本プロジェクトは、北九州市内にあるA高校に大学生が訪問し、高校2年生6クラスを対象に1回につき100分の授業を合計3回実施するものである。今年度は、8月16日、9月12日、9月24日の3日間行った。1日目は「相手と自分を知る」という目的で、自分の幼少期から20歳までの人生グラフを書き、同じ班の生徒に人生グラフを発表して感想や意見をもらう内容にした。自分の人生を振り返ることで改めて自分自身を見つめ直すことができ、他の生徒の意見により今まで気づかなかった新たな自分を発見できると考えたからである。2日目は過去ではなく未来を考えてもらうよう「リアル人生ゲーム」を用いた授業を展開した。一般的な人生ゲームと異なり、自分の価値観をもとに進むマスを選択するルールとしている。そのため、自分が思い描くゴールにならない生徒も多かった。2日目は、大切にしたい価値観は何か、価値観は人それぞれであり、違って当たり前であることを生徒に意識してもらうことを目指した。3日目は「自分に自信を持ち積極的に行動する」を目的とし、クラスの特性に合わせた内容とした。活動中の写真を図1に示す。

                                      

    図1 今年度の活動の様子

    3.活動過程での困難に対する取り組みと活動から得た学び

    本プロジェクトの過程で最も困難だったことは「全てのクラスで満足してもらうプログラム作成」である。A高校の2年生は、文系、理系など生徒が希望する分野ごとにクラスが分かれており、生徒の男女比に差があったため、クラス内の雰囲気だけではなく、生徒の行動、興味関心にも大きな差が見られた。1日目と2日目の内容で十分満足しているクラスもあったが、そうでもないクラスもあり、同じプログラムでも学びの質にばらつきがあった。また、クラスによって生徒のグループワークへの反応が全く違うことに気付いた。

    2日間の反省を踏まえ、3日目はクラスに合わせたプログラムを各自構成することにした。具体的には、最初の2日間は全体を統括するメンバーでプログラムを作成していたが、3日目のプログラムはクラスに入って高校生に授業を行う大学生にプログラム作成を任せることにした。2日間そのクラスに入り、直接高校生と接しているため、全体的に見ていた統括メンバーより何倍もそのクラスの雰囲気、興味関心を捉えることができていると考えたからである。3日目が終わった後の振り返りでは、「クラスの特徴を踏まえてプログラムを作成したから、そのクラスのことだけを意識しながら進めることができた」と話す大学生が多く、各クラスに合ったプログラムと進め方でクラスの良さを引き出すことができていた。このように授業の質が向上した背景には、各クラス担当に授業を任せたことで、授業を担当する学生に当事者意識をより強く持たせ、授業の最終目標は全員で共有しながら、クラスのための授業を必死で考えることができたことが大きいと考えている。

     

    4.活動成果の地域への反映

    この活動成果が地域へ反映できる点として2つ挙げられる。1つ目は大学生が持つアクティブ・ラーニングを運営できるファシリテーションのスキルである。文部科学省が提示するように、アクティブ・ラーニングの重要性が高まっていることは事実であり、社会の大きな流れである。しかし、高校の授業でファシリテーションを意識したアクティブ・ラーニングはあまり実施されていない。大学受験を乗り越えることが重要であるという価値観が大きいことや、授業研究、部活動、管理運営など、割かれる時間が多く、教員がファシリテーションのスキルを身に付ける時間を確保することなど、高校側の対応は容易でない。そのため、私たちが先生方に代わりファシリテーションし、アクティブ・ラーニングを実施することによって地域教育の現場を強力に支援することができると考えている。

    2つ目は高校生と大学生の「斜めの関係性」の活用である。本プロジェクトでは、1日目は初めて関わる大学生に高校生はなかなか心を開いてくれなかったが、2日目には高校生も既に慣れており本音を話してくれるようになっていた。そして、3日目は大学生が違和感なく教室に入り、授業を実施できている。これはあまり年が離れていない大学生だからこそできる活動であると考えている。普段、担任をはじめ、高校教員に話すことができない内容でも、大学生であれば兄や姉のような感覚で、お互い寄り添いながら真剣に物事を考えることができることが、広報実習が地域で活動する意義であると実感できた。

  • やる気ぐんぐんプロジェクト!

    【やる気ぐんぐんプロジェクトとは?】

    やる気ぐんぐんプロジェクトは一昨年、八幡中央高校の進路担当の先生から「高校2年生にやる気や自信を与えてほしい」との依頼を受けて始まりました。夏に3日間、各日2コマ分の時間をいただき、高校生の心に火を灯すべく様々なワークを行っています。昨年度は地域創生学群の1年生が必修の授業の一環として参加し、クラスごとの個性が引き出された活動になりました。このプロジェクトは今年で3年目に入ります。今年度は、高校生にやる気を継続して保つ仕組みづくりとプログラムやファシリテーションの質の向上を目指して企画・立案を行っている最中です。今回はより多くの高校生にやる気や自信を与えることができるような内容に仕上げていきたいと思います。これからは八幡中央高校だけではなく、様々な高校でこのような活動に取り組ませていただき、できる限り多くの高校生の心に火を灯していきたいと考えています。

    【プロジェクトの内容】

    3日間とも異なる目的・目標を設定し、それに沿った内容のワークを行います。各教室に大学生が3~4人が入り、高校生に対してファシリテーションを行いながら授業を展開するため、高校の先生による授業とは雰囲気が変わったものとなります。普段あまり親や先生に話さないようなことでも、大学生は年齢が近いため、お兄さんお姉さんに話す感覚で心を開いて将来のことや自分のことについて話してくれる高校生が多いと感じます。この活動は、高校生の将来を左右させてしまうといっても過言ではありません。そのためとても責任が重いですが、大学生も高校生と一緒になって真剣に考えることによって大学生も高校生と一緒に自分を見つめなおす機会になり、両者とも何かしら得るものがあるというのがこのプロジェクトの魅力だと思います。

    円陣でやる気ぐんぐん!高校生の真剣なまなざしに緊張気味です